『電車男』(2005)

電車男』(2005)

【日本・101分】

電車男 スペシャル・エディション [DVD]

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監督: 村上正典
出演: 山田孝之中谷美紀国仲涼子瑛太佐々木蔵之介木村多江岡田義徳西田尚美大杉漣

こういうマンガ読みすぎな妄想っぽいファンタジックスタンス、
好きです。
狭い空間で、小さな奇跡が一度だけ起こるだけの約2時間。
これ以上でも以下でもない、ちょうどいい。



過去を逃れて<未>(1947)
OUT OF THE PAST
アメリカ・97分】

過去を逃れて [DVD] FRT-258

過去を逃れて [DVD] FRT-258

監督: ジャック・ターナー
製作: ウォーレン・B・ダフ
原作: ジェフリー・ホームズ
脚本: ジェフリー・ホームズ
出演: ロバート・ミッチャム、ジェーン・グリア、カーク・ダグラス、ロンダ・フレミング、リチャード・ウェッブ、スティーヴ・ブロディ、ヴァージニア・ヒューストン、ポール・ヴァレンタイン、ディッキー・ムーア

2人の男の間で都合のいい顔ばかりし続ける女が嘘をつく瞬間の表情を
カメラで捉えた点だけとっても、見事。



『CURE キュア』(1997)
【日本・111分】

CURE キュア [DVD]

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監督: 黒沢清
脚本: 黒沢清
撮影: 喜久村徳章
出演: 役所広司萩原聖人うじきつよし中川安奈螢雪次朗洞口依子

物語の終焉を知った上でみると、わけわからない進展の中が綿密な計算に基づいていることに気付く。
純朴な男の顔も、猟奇的な殺人者の顔も、声色ひとつで演じ分ける役所広司の魅力を改めて知った。

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(2009)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(2009)
THIS IS IT
アメリカ・111分】

マイケル・ジャクソンがかなり好きじゃないと、しんどい。
ライブの断片ばかり見せられても・・・。
マイケルが指図できていたら、もっと観客ウケのいい作品に仕上げていたはず。
観客は“マイケル”その人を見に来ているわけではなくて、
彼のパフォーマンスを見に来てるんじゃないかな?
まあ、リハだったから無理だったのか・・・。
テレビのドキュメンタリーで十分。

『時計じかけのオレンジ』(1971)

時計じかけのオレンジ』(1971)
A CLOCKWORK ORANGE

時計じかけのオレンジ [DVD]

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【イギリス・137分 】

監督: スタンリー・キューブリック
製作: スタンリー・キューブリック
原作: アンソニー・バージェス
脚本: スタンリー・キューブリック
撮影: ジョン・オルコット
プロダクションデ
ザイン: ジョン・バリー
衣装デザイン: ミレーナ・カノネロ
音楽: ウォルター・カーロス
出演: マルコム・マクダウェル アレックス
パトリック・マギー アレクサンダー
エイドリアン・コリ
オーブリー・スミス
マイケル・ベイツ バーンズ看守長

アレックスの感情のうごきはほとんどモノローグで語られているけど、
その表情を捉えるショットがかなり多いことに気付く。
映画を見続けるシークェンスは、示唆的。


『喜びも悲しみも幾歳月』(1957)

喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]

喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]

【日本・160分】

監督: 木下恵介
原作: 木下恵介
脚本: 木下恵介
撮影: 楠田浩之
出演: 佐田啓二高峰秀子

斉藤綾子の批評がなければ絶対に見れなかったと思う。長い。



『P.S. アイラヴユー』(2007)
P.S. I LOVE YOU

アメリカ・126分】

監督: リチャード・ラグラヴェネーズ
原作: セシリア・アハーン 『P.S.アイラヴユー』(小学館刊)
脚本: リチャード・ラグラヴェネーズスティーヴン・ロジャース
撮影: テリー・ステイシー、
出演: ヒラリー・スワンクジェラルド・バトラーリサ・クドロー

「死んだ」はずのジェラルド・バトラーがほとんど常に画面に存在し続けることによって、ヒラリー・スワンクにしか見えないはずの幻想を観客も同時に体験することになり、ごく自然な感情移入を促す。さらに、ヒラリー・スワンクの悲しみが周囲の人々を追い払ってしまうことがそれを助長させる。一方で、二人の「過去」であったはずの「出会い」は前触れなく繰り返される回想によって少しずつ解明される。その巧妙な“ズレ”のおかげで観客は、ヒラリー・スワンクに同化する寸前で立ち止まり、涙を流しながら彼らを見つめることができる。
「死」が、悲しいのだけれど、悲しみのそのさなかには必ずジェラルド・バトラーが「生きて」いる。スクリーンの中では俳優が「生きて」いるのと同様、ヒラリー・スワンクの中にも彼は「生きて」おり、ファンタジックに時空を超える手紙がそれを助長する。だけどそれが、ヒラリー・スワンクにとっては「過去」から抜け出せない重大な原因となっている。物語の原動力となるはずの「手紙」が、主人公に、物語に、疑問を投げかけてしまうのだ。しかし、「手紙」はすべて過去の産物であり、映画同様、必ず終わる。ジェラルド・バトラーの幻影が消えるとき、それをまさに正当な理由とすることで、映画の終わりが訪れる。
一瞬一瞬が感動的で、コミカルで、でもそれが全体を通してかなり綿密に組み立てられている。まるで古典的ハリウッド映画のシナリオのように起承転結がキチッとなっているなかで、それを陳腐なメロ・ドラマに変えないジャンクでチープな“逸脱”が、その綿密さを打ち消し、現代のラブ・ストーリーとして完成されている。
ヒラリー・スワンクが好きになれない男性客には理解できないかもしれないし、評価は低そうだけど、映画の良さを存分に使った作品だと思うし、私はかなりぐっときました。




『クローズZERO』(2007)

【日本・130分】

クローズZERO プレミアム・エディション [DVD]

クローズZERO プレミアム・エディション [DVD]

監督: 三池崇史
原作: 高橋ヒロシ秋田書店 少年チャンピオンコミックス刊)
脚本: 武藤将吾
出演: 小栗旬、やべきょうすけ、黒木メイサ桐谷健太高橋努鈴之助遠藤要上地雄輔伊崎右典伊崎央登松重豊岸谷五朗高岡蒼甫山田孝之

男性俳優をスタイリッシュに撮ることが、この映画の全てだったんだろうな。

『マルクス一番乗り』(1937)

9月のときの鑑賞記。
この頃は、英語に企画書にいっぱいいっぱいだった上、8月にやたらと戦争映画を見過ぎて、頭がくらくらしていたので、できるだけ刺激の弱そうなもの、とりわけ過去見た作品を掘り起こしてたと思います。


マルクス一番乗り』(1937)
原題:A DAY AT THE RACES
アメリカ・110分】
製作国 アメリ
監督: サム・ウッド
脚本: ロバート・ピロッシュジョージ・シートンジョージ・オッペンハイマー
出演: グルーチョ・マルクス、ハーポ・マルクス、チコ・マルクス

ハーポになりたい。グルーチョにもなりたい。チコの手が欲しい。
途中で辞めたイケメンは我が家の坪倉由幸に似てない??
DVDボックスも買って、一時期は大学院の卒論にしてやろうかしら、なんて
考えるほど熱くなっていた。

そういえば、廉価版のセットで買った3枚のうちの一枚が不良品で見れない。
・・・めんどくせー!



ティーン・ヒーローJ.J.』<未>(1984)
原題:HIGH SCHOOL U.S.A.

アメリカ・100分】

監督: ロドニー・アマトゥ
脚本: アラン・エイセン、ラリー・ミンツ
撮影: ハル・トラッセル、ジャック・ホイットマン
音楽: トニー・バーグ、マイルズ・グッドマン
出演: マイケル・J・フォックス、クリスピン・グローヴァー

我らがマイケルJの魅力を存分に引き出した作品。
ずるがしこくて、お茶目で、ちょっぴりセンチメンタルなキャラクターは、マイケルにぴったりだと思う。最高!!!




『黒い家』(1999)
【日本・118分】
監督: 森田芳光
プロデューサー:柘植靖司、三沢和子、山本勉
エグゼクティブプロデューサー: 原正人
製作総指揮:角川歴彦、大谷信彦
原作: 貴志祐介
脚本: 大森寿美男
撮影: 北信康
出演: 内野聖陽大竹しのぶ、西村雅彦、小林薫

大竹しのぶの奇怪なおそろしさが素晴らしい。
原作の方がもっと怖いらしいけど、ぬめぬめっとした
人間の気持ち悪さを演出するのが得意そう。




『大人の見る絵本 生れてはみたけれど』(1932)
【日本・91分】
監督: 小津安二郎
原案: ゼェームス・槇、(小津安二郎
脚色: 伏見晁
出演: 斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄、突貫小僧

相米慎二同様、観察力が素晴らしいからこそ、
人と人の掛け合いの息遣いの見せ方が上手いんだと思う。




レディバードレディバード』(1994)
原題:LADYBIRD, LADYBIRD
【イギリス・102分】
監督: ケン・ローチ
脚本: ロナ・ムンロ
出演: クリシー・ロック、ウラジミール・ヴェガ

もはやドキュメンタリー。
ジョン・カサヴェテス『こわれゆく女』を思い出した。




『花の鼓』(2002)
【日本・48分】DV(4:3)
監督: 松岡奈緒

『背骨のパトス』(2008)
【日本・60分】DV(4:3)/60min
監督: 松岡奈緒

映画批評とかそういう尺で計るものじゃなく、
ただ、なにか衝撃と言葉を秘めた作品だと思った。

『フルメタル・ジャケット』(1987)

フルメタル・ジャケット』(1987)
FULL METAL JACKET
アメリカ・116分】

フルメタル・ジャケット [DVD]

フルメタル・ジャケット [DVD]

監督: スタンリー・キューブリック
製作: スタンリー・キューブリック
製作補: マイケル・ハー
製作総指揮: ヤン・ハーラン
原作: グスタフ・ハスフォード
脚本: スタンリー・キューブリックマイケル・ハー、グスタフ・ハスフォード
撮影: ダグラス・ミルサム、プロダクションデザイン: アントン・ファースト
美術: キース・ペイン、 ロッド・ストラットフォード 、 レス・トムキンス
衣装デザイン: キース・デニー
編集: マーティン・ハンター
キャスティング: レオン・ヴィタリ
音楽: アビゲイル・ミード
出演: マシュー・モディーン (ジョーカー)、アダム・ボールドウィン (アニマル・マザー)、 ヴィンセント・ドノフリオ (パイル)




戦争なんて、シット!調教されて狂った兵士はミッキー・マウスのような偶像!
手持ちカメラの、インタビューの、パレードの、そして兵士たちの身体すらも、すべてが擬似リアリズムに満ちている。
主人公はカメラにピースし、それを見ている観客は、見られていることに気付かない。
最近、映画がどーのこーのということよりも、
その映画がこの世でどう生き延びるのか、ということの方が大切な気がして、テクストなんか、カメラなんかどうでもいい。

ダニス・タノヴィッチ『ノー・マンズ・ランド』という作品は、
そういった分析もどこかバカらしくなってしまうような、
素晴らしい映画だ。

ノー・マンズ・ランド [DVD]

ノー・マンズ・ランド [DVD]

ラスト、一人残されたツェラは、見捨てられたボスニア紛争そのものの表象となる。
そして、彼はただ、ともに残されたカメラをみつめる。
観客は、その瞬間、傍観者であることを自覚させられる。
あの映画に主人公はいない。
語りべは監督だが、その姿は見えない。
兵士の無名性。
戦争の表象が、主観性なしにはほとんど不可能であるという逆説に
あの映画は反旗を翻している。
きっと、そう思う。

『プラトーン』(1986)

プラトーン』(1986)

原題:PLATOON
【120分・アメリカ】

監督: オリヴァー・ストーン
製作: アーノルド・コペルソン
製作総指揮: ジョン・デイリー、デレク・ギブソン
脚本: オリヴァー・ストーン
撮影: ロバート・リチャードソン
出演: チャーリー・シーン(クリス・テイラー)、トム・ベレンジャー(バーンズ軍曹)、ウィレム・デフォー (エリアス軍曹)、ケヴィン・ディロン、フォレスト・ウィッテカー、フランチェスコ・クイン、ジョニー・デップ


あらゆる映画的リアリズムを用いて、視覚的体験を身体的体験へと還元してしまう。
この映画『プラトーン』が試みたのは、ベトナム戦争を限りなく身体的なレベルで表象することだったはずだ。
そのとき、観客は戦争を追体験するのだろうか。
そのスペクタクルとドラマティックな物語に満ちた疑似体験が、
見るもののカタルシスに繋がるゆえに戦争映画というジャンルが成立するとしても、斉藤綾子の言うところの「傷ついたファルス」が投影されるアメリカ人と、無垢で無力で理解不能なイメージとして表象されるベトナム人という主題が見え隠れしていようとも、
戦争という悲劇に目を向けないこと自体が、本当の悲劇じゃないか。

『博士の異常な愛情』(1964)

博士の異常な愛情』(1964)

【イギリス/アメリカ・93分】

監督: スタンリー・キューブリック
原作: ピーター・ジョージ
脚本: スタンリー・キューブリック、ピーター・ジョージ、テリー・サザーン
撮影: ギルバート・テイラー
音楽: ローリー・ジョンソン
出演: ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット他


この作品のブラックユーモアが、
核戦争による“戦争の脱身体化”を風刺していたのなら、
なおさらピーター・セラーズは、
1人4役するべきだったんじゃないのか?

大好きな作品だけど、どこか失敗作なのでは、と
思わせてしまう要因はそこにある気がします。

でも何度もみたくなる。

映画を嫌いになったとしても、キューブリックは嫌いにならなさそう。

そういえば、

小林賢太郎が「風と桶に関する」コントでやっていたのは・・・