『時計じかけのオレンジ』(1971)

時計じかけのオレンジ』(1971)
A CLOCKWORK ORANGE

時計じかけのオレンジ [DVD]

時計じかけのオレンジ [DVD]

【イギリス・137分 】

監督: スタンリー・キューブリック
製作: スタンリー・キューブリック
原作: アンソニー・バージェス
脚本: スタンリー・キューブリック
撮影: ジョン・オルコット
プロダクションデ
ザイン: ジョン・バリー
衣装デザイン: ミレーナ・カノネロ
音楽: ウォルター・カーロス
出演: マルコム・マクダウェル アレックス
パトリック・マギー アレクサンダー
エイドリアン・コリ
オーブリー・スミス
マイケル・ベイツ バーンズ看守長

アレックスの感情のうごきはほとんどモノローグで語られているけど、
その表情を捉えるショットがかなり多いことに気付く。
映画を見続けるシークェンスは、示唆的。


『喜びも悲しみも幾歳月』(1957)

喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]

喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]

【日本・160分】

監督: 木下恵介
原作: 木下恵介
脚本: 木下恵介
撮影: 楠田浩之
出演: 佐田啓二高峰秀子

斉藤綾子の批評がなければ絶対に見れなかったと思う。長い。



『P.S. アイラヴユー』(2007)
P.S. I LOVE YOU

アメリカ・126分】

監督: リチャード・ラグラヴェネーズ
原作: セシリア・アハーン 『P.S.アイラヴユー』(小学館刊)
脚本: リチャード・ラグラヴェネーズスティーヴン・ロジャース
撮影: テリー・ステイシー、
出演: ヒラリー・スワンクジェラルド・バトラーリサ・クドロー

「死んだ」はずのジェラルド・バトラーがほとんど常に画面に存在し続けることによって、ヒラリー・スワンクにしか見えないはずの幻想を観客も同時に体験することになり、ごく自然な感情移入を促す。さらに、ヒラリー・スワンクの悲しみが周囲の人々を追い払ってしまうことがそれを助長させる。一方で、二人の「過去」であったはずの「出会い」は前触れなく繰り返される回想によって少しずつ解明される。その巧妙な“ズレ”のおかげで観客は、ヒラリー・スワンクに同化する寸前で立ち止まり、涙を流しながら彼らを見つめることができる。
「死」が、悲しいのだけれど、悲しみのそのさなかには必ずジェラルド・バトラーが「生きて」いる。スクリーンの中では俳優が「生きて」いるのと同様、ヒラリー・スワンクの中にも彼は「生きて」おり、ファンタジックに時空を超える手紙がそれを助長する。だけどそれが、ヒラリー・スワンクにとっては「過去」から抜け出せない重大な原因となっている。物語の原動力となるはずの「手紙」が、主人公に、物語に、疑問を投げかけてしまうのだ。しかし、「手紙」はすべて過去の産物であり、映画同様、必ず終わる。ジェラルド・バトラーの幻影が消えるとき、それをまさに正当な理由とすることで、映画の終わりが訪れる。
一瞬一瞬が感動的で、コミカルで、でもそれが全体を通してかなり綿密に組み立てられている。まるで古典的ハリウッド映画のシナリオのように起承転結がキチッとなっているなかで、それを陳腐なメロ・ドラマに変えないジャンクでチープな“逸脱”が、その綿密さを打ち消し、現代のラブ・ストーリーとして完成されている。
ヒラリー・スワンクが好きになれない男性客には理解できないかもしれないし、評価は低そうだけど、映画の良さを存分に使った作品だと思うし、私はかなりぐっときました。




『クローズZERO』(2007)

【日本・130分】

クローズZERO プレミアム・エディション [DVD]

クローズZERO プレミアム・エディション [DVD]

監督: 三池崇史
原作: 高橋ヒロシ秋田書店 少年チャンピオンコミックス刊)
脚本: 武藤将吾
出演: 小栗旬、やべきょうすけ、黒木メイサ桐谷健太高橋努鈴之助遠藤要上地雄輔伊崎右典伊崎央登松重豊岸谷五朗高岡蒼甫山田孝之

男性俳優をスタイリッシュに撮ることが、この映画の全てだったんだろうな。