『激突!』(1971)

観客への気遣いばかりをほめ殺しています。ゼミの計画書まだ出せません。やはりカサヴェテスやりたくていじいじ計画練りながら悶々と「あー楽しい映画がみたい」なーんて考えていたら、テーマがスピルバーグになっちゃった。多分卒論にはしないけど、ここでいっちょ本気で彼のことを考えてみるのもいいかもしれない。何気にここんとこスピルバーグ特集だったもんね。てなわけでリストアップしてみたが彼の作品半分くらいしか見てない・・・しかも見てても昔すぎて覚えていない。『魔宮の伝説』とか死ぬほど見た気がするのに。カサヴェテスに抱かれたいと願ったようにまた彼の映画に恋をしようではないか。

『激突!』(1971)
原題:DUEL
アメリカ・90分】
監督: スティーヴン・スピルバーグ
製作: ジョージ・エクスタイン
原作: リチャード・マシスン
脚本: リチャード・マシスン
撮影: ジャック・A・マータ

冒頭、主観ショットでガレージの暗闇からバックして明るい外へ。車が2台、特に何かが増えるわけでも減るわけでもなく手に汗をにぎりながら時間は過ぎていく。車の前窓はシネスコ、鏡はもうひとつのスクリーン、なーんて考えながら、前半は後方を映す窓に、後半は主に前方の窓に登場するトレーラー。カフェ、やはり窓に現れるトレーラー。店内に奴がいる、誰かわからない・・・靴・・・クイズ感覚のお楽しみ。さんざん試行錯誤した挙句、カフェ内部とは無関係のところで悠悠と出発するトレーラー。
ガラガラヘビブース、スクールバス。
主人公側に感情移入をうながすべく与える情報は、相手のある仕事の待ち合わせに急いでおり、家族があり妻の機嫌を取り直すためにも早く仕事を済ませて帰らねばならないという焦り・苛立ち、調子の悪いエンジンという分かり易い複線。