『忠治旅日記』(1927)
『忠治旅日記』(伊藤大輔/1927)
歴史に立ち会った気分です。観れて幸せです。
襖にささる槍、門の上下、おじぎ、そのすべてがアクションでした。感情を前面にだしたリアリティーは現代の「自然な」ものとは極端にかけはなれています。だけど、それが80年たった今でも「観れる」ことに脅威を感じる。あんなにこぶしをにぎりしめるほど感動する映画は最近少ないと思う。時代が違うからできたことではあるけど、あれほど全員が死に物狂いで作った映画を観てしまうと、また他の映画が嫌いになってしまいそうです。
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ブロードウェイ・コメディの映画化、室内劇、三谷幸喜が好きそう、てか影響受けてるでしょ。
隠蔽しようと試行錯誤する主人公を周囲がさんざん邪魔しまくってごちゃまぜになる、という展開は最も嫌いなもののひとつ。いかにもというキャラクター誇示やら誤解やら、わざとらしいものが苦手なので。カメラアピールも苦手。
でも、複線がちゃんと利いていて笑えました。最後にキスしまくるのもわりと好きだったし。でも欲をいうなら、毒薬で全員死ぬ、とか好意的に接してきた観客を置き去りにする“毒気”がほしかった(それは現代だから思うことなのかもしれないけど)。
フランク・キャプラ好きなのでこれに懲りずにもっと観たい。