『自転車吐息』(1990)

今日はクリームパンがおいしかった。
理想と現実との幅に愕然とする。自己満足でかろうじて生きているかんじ。親のスネかじってるなあ。思考がニート化している。


自転車吐息』(1990)
【日本・93分】
監督:園子温
脚本:園子温/斎藤久志
製作:P.F.F./武田浩二

名前、誕生日、住所、思い出。自分を説明する言葉を並べてみても「自分」を証明することができない。あの頃の延長はあまりにも現実で、抜け出せない者は幻想し破壊するしかない。どこまでも続く、と語ったはずの白線は『一塁』の外では途切れていて、自転車は燃えている。よーいスタートで走り出した妹がそれに牛乳で、でまかせのゴールを与える。そして彼女は他人によって敷かれた白線の上を歩いていく。しかしそれはやはり他でもない白線であり、逆走する彼女には何かが見えているのだろう。

うまい。映画の中で主人公たちによって製作された映画『一塁』とその後の“今”とのモンタージュ。重ね方が本当にうまい。埋め、掘り起こした自転車が持ち帰る途中で脚を失って崩れ去るとこ。自然な長回し撮影と前後・内外の動きのダイナミックさ。すきでした。
観客を置いてけぼりにする感じがちょっと遠慮がちだったような気も。最近アクションによる感動に慣れてしまったので、その部分では少し物足りなかった。園子温主演か〜。



『屋根裏の散歩者』(1994)
【日本・74分】
監督:実相寺昭雄
脚本: 薩川昭夫
原作: 江戸川乱歩
プロデューサー:一瀬隆重/瀬田素/石原真

意味不明、だけど何かありそうで怖い、うごめく演出。屋根裏からの覗はもちろん、丸裸の女が廊下を走り去るのを襖のすきまから見ている、それだけで妙な生々しさと汚さと欲望と、いろいろ見えてくる。エロいのに笑える。変態画家が血まみれで躍り出てきて、部屋をのぞいてみると切腹した女が!楽しすぎて笑いました。明智探偵のアゴが長いのはいいのか。