『おでかけ倶楽部』(2006)


『おでかけ倶楽部』(2006)
【日本・15分】
現在撮影中の作品の監督の卒制。
不登校の高校生・ナツオは母と二人で暮らしている。耐えかねた母に頼まれて久しぶりに帰省した姉・キョウコが彼を旅行に誘う。

食卓、生活、関係すべての雰囲気づくりがうまく、嫌味なく画にとけこんでいる。3人を個別に撮ったシーンでは、なにやら思考している様子をかもしだしながらもそれを知ることを許してはくれず、その距離感があたたかい。(冬の設定だからますます。)直接的ではないセリフが重ねあうことによって映画に少しずつの意味を与えており、押しつげがましくないながらも強いメッセージ性を感じさせる、その加減が丁度いい。
あと、旅行なのに荷物がない、そこがちょっと寄り道の“おでかけ”なのだろうか。母へのおみやげ。

優しさと厳しさをとぼけた具合に混在させている姉の役どころが素晴らしい。