『許されざる者』(1992)

師匠に「コミュニケーション不足」と指摘され気にして友人と飲みにいく。から揚げカレーは美味かったけど家に帰りたいとか思ってしまう自分がいる。吐く、腹こわす、寝る。なにがしたいのかわからない。
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許されざる者』(1992)
原題:UNFORGIVEN
アメリカ・130分】
監督:クリント・イーストウッド

豚に引きずられ泥まみれ、馬から落下して鼻血、そもそもイーストウッドだけじゃなく出てくる男、近眼で怖気づく素人のキッド、逃げ出す途中に捕まり暴行の末に友人の名を吐き殴り殺されるネッド、ウソだらけのイングリッシュ、部下に腰抜け呼ばわりされ日曜大工する保安官そのすべてが弱弱しく情けない。設定、心理描写が細やか、弾一発で即死させず死を描く。顔を傷つけられた女の子は牧童を心底恨んでいるわけではないし“何のために雇われ殺すのか”その目的が曖昧になり物語の主軸から外れる。表象化された西部劇に問うているのか。そして弱弱しくも最後は頂点に君臨し孤独に去る。出てくる人々はだれもが人間らしいが、自明的にヒーローを背負うイーストウッドこそがもっとも人間らしくも見える。


血ぬられた墓標 [DVD]

血ぬられた墓標 [DVD]

『血ぬられた墓標』(1960)
原題:THE MASK OF SATAN
【イタリア・83分】
監督:マリオ・バーヴァ
製作:マッシモ・デ・リタ
原作:ニコライ・ゴーゴリ
脚本:エンニオ・デ・コンチーニ/マリオ・バーヴァ/マルチェロ・コスチア/マリオ・セランドレイ

豊かな演出という演出。楽しませてくれる。悪魔/人間が同じ顔で並ぶ、『メトロポリス』もそうだけど、双子的なものに惹かれるものがあるのかもしれない。