『ハプニング』(2008)

バイト帰り、なんだかムシャクシャしたのでレイトショーで『インディージョーンズ』観に行ったらすでに始まっていたので代わりに『ハプニング』みて駅に着いてチャリ乗ろうとしたらひっかけていたカサが見当たらない。どこかの誰かが濡れずにすむのなら。

『ハプニング』(2008)
監督: M・ナイト・シャマラン
脚本: M・ナイト・シャマラン
撮影: タク・フジモト
出演: マーク・ウォールバーグ/ズーイー・デシャネル/ジョン・レグイザモ/M・ナイト・シャマラン


全編を通して「説得」というサービスがなされている。冒頭、科学の授業内で主人公が生徒に“ミツバチ”についての質問をし、生徒らは全く不可解なその原因に対し真っ当な推理をする。やがて周囲で不可解な“事件”が起こりはじめると、人々は逃げ惑うのだが原因がさっぱりわからず授業と同じように真っ当な推理をする。わからないながらも「確かになにかが起こっている」ということを否応無く説得させる人々の死の描写が生生しく繰り返されるが、その死に方は、「次はどんな死に方をするのだろう」という期待に応えるショーである。そして、隔たりを介した見えない場所での出来事を見せてくれるテレビ・ラジオ・ケータイ動画・電話が網羅的に登場するのだが、ケータイの通話は人だかりの中で会話が聞こえるようにするあの機能なんだっけ?を使って周囲に聞かせ、動画では動物園のオリの中をステージにトラを威嚇して食われて見せるなど、どれも見世物になっている。(動画が撮影され、それをおばさんが見せる、ということもそう思える。)ついに外界との接触を断ち切った家にたどりつくと今度は分断された3人の間に連絡管が登場する。
そして、ラスト、事件から3ヵ月後、テレビ番組内で専門家が「予兆」であると推察しそれに対し「説得力がない」との意見が交わされると、その期待に応えるように“原因”が別の国で同じ事件を起すことで、映画内部においてさえ「説得」をしてみせる。そわそわするズーイー・デシャネルがかわいかった。





『カマチョップ』(2007)
監督・脚本・編集:松本庵路
制作:革命トマト
出演:鎌地広行/原田武明/大森南朋

ストーリー、キャラクターは面白く期待してみたのだけど、脚本も映像も説明的で、はさまれるテロップもいらいらした。幽霊が生きてる人間には見えない、というごくごく当たり前の表現をごくごく当たり前にやるだけで済ましてはだめだと思う。新しいものが欲しかった。キャラクターも設定があるわりに人間味があまり見えてこないし、嫌いではないのだけど、惜しい。演劇的だった。ラストの「受け入れる」感じはすごいよかった。




なんか色々考えて不安になった。面白い映画がつくりたい。