『ミニー&モスコウィッツ』(1971)

『ミニー&モスコウィッツ』(1971)
アメリカ・120分】
監督:ジョン・カサヴェテス
製作:アル・ルーバン
脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:アルリック・イーデンス/マイケル・マーガリーズ/アーサー・J・オーニッツ


やっぱこっちが一番すきかもwてか、選べない!どれも好き!

唐突な映画でした。
『ラヴ・ストリームス』もそうだけど、登場人物の関係性をはっきりさせないまま物語が進行する。冒頭のミニー(ジーナ・ローランズ)と女友達の会話から、ミニーには恋人がいるらしいと解する。そして、彼女が帰宅したシーンで唐突に現れた男(ジョン・カサヴェテス)を彼女の恋人であろう、と解する。ところが男は唐突にミニーを殴り、傷つけられたミニーがようやく彼を「恋人」と呼ぶ。理解が追いついたところで、今度は男が別の家で別の女性にキスをする。そこに家庭があることがだんだんにわかってきたところでようやくミニー、男、女性の関係性があらわになる。“関係”から“ストーリー”が生まれるのではく、“人物”と“行動”から“関係”と“ストーリー”が同時進行的に生産されるのである。この部分でサスペンス的であり、やはりカサヴェテス作品独特の生温かさを感じる。たまらん。
タイトルが『ミニー&モスコウィッツ』なわけだから、2人の恋物語なのだろう、という予測から、2人の“出会い”をひとつの山場として期待する。しかし、出会いがあまりにも唐突で、それがまた“劇的”と“現実的”のはざまのぎりぎりのところで描かれていて、素晴らしい。